ヤマフトミミズ

 フトミミズ科 > アズマフトミミズ属 > ヤマフトミミズ Amynthas yamade Blakemore, 2010

Amynthas yamade Blakemore, 2010: 197.

タイプ標本

タイプ産地:武奈ヶ岳の広谷 35°15′N 135°53′E(滋賀県大津市)(ホロタイプ)

タイプ標本所在地:ホロタイプ 滋賀県立琵琶湖博物館(LBM1390000091)

         パラタイプ 滋賀県立琵琶湖博物館(LBM1380000092)

形態

<外部形態>

 体長 130-150 mm (原記載)体幅 6-8 mm (原記載)体節数 112-129 (原記載)。体型は頑強で、尾部に向かって徐々に細くなる。二次体環がある。第一背孔は 12/13 (原記載)

 剛毛数は第 12 体節で 60-70 本 (原記載)

 体色はエタノール液浸標本では暗色で、剛毛線は淡色のため縞模様に見える (原記載)

 環帯は第 14-16 体節を占める。受精嚢孔は 2 対で、第 7/8/9 体節 (原記載)。雌性孔は第 14 体節の腹面中央 (原記載)。雄性孔は第 18 体節にあり、前後方向の窪みの左右に位置し、楕円形の円盤の上に開口する (原記載)。雄性孔館距離は約 0.4 U (原記載)

 

<内部形態>

 隔膜は 8/9/10 または 9/10/11 体節間膜を欠く (原記載)。最終心臓は第 12 もしくは 13 体節にある (原記載)

 腸管は第 16 体節から開始する (原記載)腸盲嚢は指状型で、3-5 本の小嚢に分かれ、大きいものは若干鋸歯状になる (原記載)

 受精嚢は 2 対で、第 8-9 体節に存在する (原記載)。主嚢は大きく、短い導管を持ち、副嚢は主嚢と同長 (原記載)。主曩は平たく、ねじ曲がった副嚢の先端は光沢を持つ。精巣は第 10-11 体節に、貯精嚢は第 10-12 体節にある (原記載)卵巣は小さく、第13体節にある (原記載)摂護腺は複数の小嚢に分かれ、太い導管がある (原記載)

 

 

分布

 現時点では、滋賀県西部の比良山地でのみ記録されている。ホロタイプは武奈ヶ岳で、パラタイプは高島市朽木柏の与市谷で得られている。なお、最近、伊吹山系の2ヶ所でも採集した(南谷, 未発表データ)。

生態

 腸管内から木質や有機質の断片が見つかっているため、落葉食の表層性種ではないかと推定されている (原記載)

引用文献

Blakemore RJ, 2010. Unravelling some Kinki earthworms (Annelida: Oligochaeta, Megadrili: Megascolecidae)- Part II. Opuscula Zoologica, Budapest 41(2): 191-206.