フカンゼンミミズ
Pheretima imperfecta Ishizuka, 1999d: 229; 石塚, 2001: ##.
Amynthas imperfectus Blakemore, 2003: 8; 2012b: 20.
タイプ標本
タイプ産地:Mt. Takao(東京都八王子市 高尾山)
タイプ標本所在地:ホロタイプ 国立科学博物館(NSMT-An-279)
パラタイプ 国立科学博物館(NSMT-An-280)
形態
<外部形態>
全長 49–92 mm、体幅 2.4–3.6 mm。体節数 95–96。
体色は、背面は褐色で、腹面は黄灰色。
剛毛数は第 7 体節で 75–80 本、第 20 体節で 79–86 本。
第一背孔は第 11/12 体節間溝に開口する。
受精嚢孔を欠くが、時に第 5/6 体節間溝もしくは第 7/8 体節間溝の片側のみに受精嚢孔を持つ。環帯は第 14–16 体節を占める。雌性孔は一つで、第 14 体節の腹面中央に開口する。雄性孔は突出状型で、中型の円形平板状で、第 18 体節に開口する。雄性孔間距離は体周の約 1/4。性徴を欠く。
<内部形態>
隔膜は、第 5/6/7/8 体節間では繊細で、第 8/9/10 体節間では欠き、第 10/11/12/13/14 体節間ではやや厚い。
腸管は第 15 体節から開始する。腸盲嚢は突起状型で、第 27 体節に開口し、4 体節前方へ伸びる。
受精嚢を欠くが、時に主嚢のみを持つことがある。貯精嚢は小さく、背面を第 11–12 体節まで広がる。摂護腺は第 18–20 体節まで広がり、導管は雄性孔に接続する。生殖腺を欠く。
分布
タイプ産地である東京都高尾山でしか記録されていない(Ishizuka, 1999d; 石塚, 2001)。
図 これまでに出版された文献に基づく、フカンゼンミミズの分布確認地点。
備考
Ishizuka(1999d)の新種記載時には和名が ツチイロコミミズ とされたが、石塚(2001)ではフカンゼンミミズに変更されている。
引用文献
Blakemore RJ, 2003. Japanese earthworms (Annelida: Oligochaeta): A review and checklist of species. Organisms Diversity and Evolution 11: 1-43.
Blakemore, R.J., 2012b. Japanese earthworms revisited a decade on. Zoology in the Middle East 58 suppl 4: 15-22.
Ishizuka K, 1999d. New species of the genus Pheretima s. lat. (Annelida, Oligochaeta, Megascolecidae) from Tokyo, Japan- part III. species with simple intestine caeca. Bulletin of the National Science Museum (Japan). Series A. Zoology 25(4): 229-242.
石塚小太郎, 2001. 日本産フトミミズ属 (Genus Pheretima s. lat.) の分類学的研究. 成蹊大学一般研究報告 33(3): 1-125.