シマフトミミズ
タイプ標本
基産地:Shima (三重県志摩)
タイプ標本所在地:不明
形態
<外部形態>
体長205mm、体幅7mm、体節数163。アルコール浸漬標本では、暗肉色。体節間溝はより暗色。剛毛数は受精嚢孔域で85本。第一背孔は第12/13体節間溝。環帯は第14〜16体節を占め、剛毛を欠く。受精嚢孔は4対で、第5/6/7/8/9体節間溝に存在する。受精嚢孔域には性徴を欠く。雄性孔は第18体節に存在する。第19体節の剛毛線より後ろを中心として直径2.5mmの性徴がある。
<内部形態>
隔膜は5/6/7/8、10/11/12/13で厚く、8/9/10は欠く。腸管は第15体節から始まる。腸盲嚢は第26体節に開始し、第20体節まで達する。
受精嚢は4対で、第6〜9体節に存在する。主嚢は洋なし型で、副嚢は曲がりくねる。貯精嚢は第11,12体節に存在する。卵巣は比較的大きい。卵嚢を欠く。摂護腺は第17〜20体節を占める。
Perichaeta shimaensis (=Metaphire shimaensis) の雄性孔と性徴の形態(原記載図) (Goto & Hatai, 1899, p. 15, fig. 3 より)
備考
Beddard (1900) は dyeri のシノニムとしているが、Michaelsen (1900) やEaston (1981) は独立種として認めている。
1991年に奈良県大塔村赤谷で採集されナラミミズとされたものは (渡辺, 2002)、本種である (南谷・鳥居春巳・渡辺弘之, 未発表)。
シノニムリスト
Perichaeta shimaënsis Goto & Hatai, 1899: 15.
Pheretima shimaensis Michaelsen, 1900: 303.
Pheretima shimaensis 小林, 1941c: 260. [記述のみ]
Pheretima shimaensis 上平, 1973a: 56 シマフトミミズ. [同定形質のみ] (?, 1973)
Pheretima shimaensis Ishizuka, 1999a: 65.
引用文献
Beddard, F.E., 1900. A revision of the earthworms of the genus Amyntas (Perichaeta). Proceedings of the Zoological Society of London 69(4): 609-652.
Goto, S., Hatai, S., 1899. New or imperfectly known species of earthworms. No. 2. Annotationes Zoologicae Japonenses 3: 13-24.
Ishizuka, K., 1999a. A review of the genus Pheretima s. lat. (Megascolecidae) from Japan. Edaphologia (62): 55-80.
上平幸好, 1973a. 日本産陸棲貧毛類フトミミズ属(Genus Pheretima), 種の検索表. 函館大学論究 7: 53-69.
小林新二郎, 1941c. 四国、中国、近畿及中部諸地方の陸棲貧毛類に就て. 動物学雑誌 53(5): 258-266.
Michaelsen, W., 1900. Oligochaeta. Das Tierrich 10: 1-575.
渡辺弘之, 2002. 奈良、大塔村・十津川村のオオミミズ. 関西自然科学 51: 18-20.