イチョウミミズ
Pheretima elliptica Ishizuka, 1999d: 237; 石塚, 2001: ##.
Amynthas ellipticus Blakemore, 2003: 6, 2012b: 18; 安藤ら, 2008a: 201.
タイプ標本
タイプ産地:Botanical Gardens, Graduate School of Science, The University of Tokyo(東京都文京区 小石川植物園)
タイプ標本所在地:ホロタイプ 国立科学博物館(NSMT-An 288)
パラタイプ 国立科学博物館(NSMT-An 289)
形態
<外部形態>
全長 90–125 mm、体幅 3.5–4.5 mm。体節数 80–115。
体色は、背面は明褐色で、腹面は灰白色。
剛毛数は第 7 体節で 36–42 本、第 20 体節で 44–50 本。
第一背孔は第 12/13 体節間溝に開口する。
受精嚢孔は 3 対で、第 6/7/8/9 体節間溝にあり、受精嚢孔間距離は体周の約 1/4。環帯は第 14–16 体節を占める。雌性孔は一つで、第 14 体節の腹面中央に開口する。雄性孔は突出型で、中サイズの円形平板状で、第 18 体節に開口する。雄性孔間距離は体周の約 1/4。性徴を欠く。
<内部形態>
隔膜は、第 5/6/7/8 体節間では厚く、第 8/9/10 体節間では欠き、第 10/11/12/13/14 体節間ではやや厚い。
腸管は第 14 体節または第 15 体節から開始する。腸盲嚢は突起状型で、第 27 体節に開口し、3–4 体節前方へ伸びる。
受精嚢は 3 対で、第 7–9 体節にあり、小さく、しばしば未発達。主嚢はシャベル型で、短い導管を持つ。副嚢は小さな楕円形で、細い導管を持つ。貯精嚢はとても小さく、背面を第 11–12 体節まで広がる。摂護腺は第 17–19 体節に広がり、導管は雄性孔に接続する。生殖腺を欠く。
分布
東京都文京区の小石川植物園と(Ishizuka, 1999d; 石塚, 2001)、奥多摩町(安藤ら, 2007)、山梨県大丹波峠付近(安藤ら, 2008a)に分布する。
安藤らが報告した奥多摩町のものと山梨県のものが、本当に本種と言えるのか、今後の検証が必要である。
図 これまでに出版された文献に基づく、イチョウミミズの分布確認地点。
引用文献
安藤麻菜, 山中理恵子, 米山枢, 菅原泉, 上原厳, 佐藤明, 2008a. 林齢の異なるスギ人工林におけるミミズの個体数密度と種組成. 関東森林研究 (59): 199-202.
Blakemore RJ, 2003. Japanese earthworms (Annelida: Oligochaeta): A review and checklist of species. Organisms Diversity and Evolution 11: 1-43.
Blakemore, R.J., 2012b. Japanese earthworms revisited a decade on. Zoology in the Middle East 58 suppl 4: 15-22.
Ishizuka K, 1999d. New species of the genus Pheretima s. lat. (Annelida, Oligochaeta, Megascolecidae) from Tokyo, Japan- part III. species with simple intestine caeca. Bulletin of the National Science Museum (Japan). Series A. Zoology 25(4): 229-242.
石塚小太郎, 2001. 日本産フトミミズ属 (Genus Pheretima s. lat.) の分類学的研究. 成蹊大学一般研究報告 33(3): 1-125.