アカシマフトミミズ

 フトミミズ科 > アズマフトミミズ属 > アカシマフトミミズ

 Amynthas kunigamiensis (Ishizuka et al., 2000)

Pheretima kunigamiensis Ishizuka et al.2000: 92.

  Amynthas kunigamiensis Blakemore, 2003: 7, 2012b: 18.

タイプ標本

タイプ産地:Mt. Nishimedake (沖縄県国頭郡国頭村 西銘岳)

タイプ標本所在地:ホロタイプ 国立科学博物館(NSMT-An-333)

         パラタイプ 国立科学博物館(NSMT-An-334)

               琉球大学資料館(風樹館)(RUMF-ZO-3, 4)

形態

<外部形態>

 全長 120-262 (120–262 [Ishizuka et al., 2000]、200-260 [安座間, 2015]) mm、体幅 6.0-8.5 (6.0–8.5 [Ishizuka et al., 2000]、6.5–8.5 [安座間, 2015]) mm、体節数 64-150 (Ishizuka et al., 2000)

 体色は背面は赤暗褐色で、腹面は明赤褐色。剛毛線が明褐色であり、縞模様に見える。

 剛毛は第 7 体節で 36–46 本、第 20 体節で 60–74 本。

 第一背孔は第 12/13 体節間溝もしくは第 13/14 体節間溝に開口する。

 受精囊孔は 3 対で、第 6/7/8/9体節間溝にあり、1対の受精囊孔間距離は体周の1/3ほど。環帯は第14–16体節を占める。雌性孔は第 14 体節の腹側中央に 1 個。雄性孔は第 18 体節にあり、突起状型で、雄性孔間距離は体周の 1/3 ほど。性徴は吸盤状型で、第 6–9 体節の剛毛線より後ろの、受精嚢孔と同一線上にあるが、しばしば欠如する。吸盤状の外部表徴があり、受精嚢孔付近と、第 18 体節の剛毛線よりも後ろ側に、雄性孔に近接して存在する。なお、安座間 (2015) は性徴はまったくないと述べている。

 

<内部形態>

 第8/9/10体節間溝の隔膜を欠き、第5/6/7/8体節間溝と第10/11/12/13/14体節間溝では厚い。は第15体節から始まる。腸盲嚢は第27体節に存在し、鋸歯状で、4〜5体節分の長さ。

 受精嚢は3対で第7–9体節にあり、主嚢はシャベル型で導管は太い。副嚢は小さなソーセージ型で、導管は長い。生殖腺は胞状で、第8、9体節の性徴に付属する。貯精嚢は小さく、第11、12体節の背面にある。摂護腺は第17–19体節の3体節分を占める。

 

 

分布

 沖縄本島の西銘岳に分布する (Ishizuka et al., 2000)。詳細な地点は示されていないが、安座間 (2015) は沖縄県北部の山地森林と記述している。実際に管理者による調査では、与那覇岳周辺でも採集した。

図:これまでに出版された文献に基づく、アカシマフトミミズの分布確認地点


生息環境

 シイが優占する天然林に生息する (Ishizuka et al., 2000)。山地森林の側溝などに見られる (安座間, 2015)

生態

 刺激を与えると、背孔から乳白色の分泌物を勢いよく噴出することもある (安座間, 2015)

シノニムリスト(全リスト)

Pheretima kunigamiensis Ishizuka et al., 2000: 92. アカシマフトミミズ (新称) [形態記載] (Feb 29, 2000)

アカシマフトミミズ 安座間, 2015: 585. アカシマフトミミズ [同定形質のみ]. (Apr. 2015)

引用文献

安座間安史, 2015. ミミズ類. In: 沖縄県立図書館資料編集室 (編), 沖縄県史 各論編1. 自然環境. 沖縄県教育委員会, 那覇. pp. 583-585.

Blakemore RJ, 2003. Japanese earthworms (Annelida: Oligochaeta): A review and checklist of species. Organisms Diversity and Evolution 11: 1-43.

Blakemore, R.J., 2012b. Japanese earthworms revisited a decade on. Zoology in the Middle East 58 suppl 4: 15-22.

Ishizuka K, Azama Y, Sasaki T, 2000. Two new species of the genus Pheretima s. lat. (Family Megascolecidae) from the Yambaru District, Okinawa Island, Japan. Edaphologia 65: 89-95.